Aria
【仕組み】ヘンデルのクラヴサン組曲第1集第2番(HWV 434)に基づくアリア。装飾音に彩られた典雅な8小節の主題が、端正な2部形式(各4小節リピート)で提示される。
【位置づけ】
Var. 1
【仕組み】右手の歯切れよいスタッカートと左手のシンコペーションが絡み合い、アリアの旋律骨格を鮮やかに浮き彫りにする。
【位置づけ】
Var. 2
【仕組み】流れるような3連符の分散和音にのせて、内声と上声が滑らかにメロディを紡ぎ出すレガートな変容。
【位置づけ】
Var. 3
【仕組み】右手と左手による対話形式。16分音符の柔らかな装飾句が、牧歌的な調和を生み出す。
【位置づけ】
Var. 4
【仕組み】両手オクターヴの強烈なスフォルツァンドとスフォルツァート。シンコペーションを強調した剛毅なブラームス節の炸裂。
【位置づけ】
Var. 5
【仕組み】全曲で初めて現れる短調変奏。半音階的な転調と叙情的なカンタービレが、静かな瞑想世界を創り出す。
【位置づけ】
Var. 6
【仕組み】第5変奏の短調の気配を受け継ぎ、厳格なオクターヴ・カノンが弱音(sotto voce)で奏でられる。対位法技術の結晶。
【位置づけ】
Var. 7
【仕組み】短調の影を打ち払い、付点リズムと太鼓を模したバスの連打が輝かしい祝祭感を演出する。
【位置づけ】
Var. 8
【仕組み】内声で「B♭」音のオルゲルプンクト(保続音)が鐘のように鳴り響き、その周囲を細やかな音型が駆け抜ける。第1部を力強く締めくくる。
【位置づけ】
Var. 9
【仕組み】テンポを落とし、2小節単位の重々しいオクターヴ進行が低声から立ち上がる。雄大な構築美を見せる変奏。
【位置づけ】
Var. 10
【仕組み】両手の激しい交差とスタッカートによる跳躍。ピアニスティックな推進力にあふれたエネルギッシュな展開。
【位置づけ】
Var. 11
【仕組み】第10変奏の熱狂を瞬時に鎮めるカンツォーネ風の変奏。甘美な旋律が左右の手へたゆたうように受け渡される。
【位置づけ】
Var. 12
【仕組み】滑らかなレガートによる反行模倣。精緻なポリフォニーでありながら、極上の安らぎを感じさせる。
【位置づけ】
Var. 13
【仕組み】6/8拍子への転換と変ロ短調。分厚い6度・オクターヴの重音連打が、ハンガリー風の情熱と深い悲愴感を響かせる。
【位置づけ】
Var. 14
【仕組み】長調への劇的な回帰。両手の細やかなアルペッジョとトレモロが、眩い光のシャワーとなって降り注ぐ。
【位置づけ】
Var. 15
【仕組み】鋭い付点リズムとスタッカートの協奏。オーケストラ的な重層性をピアノ一台で具現化する。
【位置づけ】
Var. 16
【仕組み】極めて軽快な2声の対位法。右手のトリルと左手のスタッカートが、古風なチェンバロの響きを想起させる。
【位置づけ】
Var. 17
【仕組み】高音域で優美に鳴り渡るスタッカートの装飾。次のシチリアーナへと導く瑞々しい間奏曲。
【位置づけ】
Var. 18
【仕組み】第17変奏の音型を継承し、シンコペーションを帯びた優雅な旋回音型が対話する。第2部を優美に締めくくるパストラーレ。
【位置づけ】
Var. 19
【仕組み】12/8拍子のシチリアーナのリズム。弱音ペダル(ウナ・コルダ)によるオルゴールのような愛らしい響きで第3部が開幕する。
【位置づけ】
Var. 20
【仕組み】重厚な半音階的転調を伴うコラール。オルガンを思わせる神聖で豊かな響きが空間を満たす。
【位置づけ】
Var. 21
【仕組み】関係短調(ト短調)への転調。右手の3連符と左手の2連符が交錯するポリリズムの中で、繊細な詩情が漂う。
【位置づけ】
Var. 22
【仕組み】バロックの舞曲「ミュゼット(バグパイプ風舞曲)」。高音の持続音の上で素朴な歌が愛らしく跳ねる。
【位置づけ】
Var. 23
【仕組み】激しいクレッシェンドとスタッカートの連続。終曲フーガへ向けて緊張感が一気に加速する。
【位置づけ】
Var. 24
【仕組み】第23変奏の動機がさらに激化。雷鳴のようなアルペッジョがフォルティッシモで轟く。
【位置づけ】
Var. 25
【仕組み】全変奏の頂点。分厚いオクターヴ連打が圧倒的な音圧で鳴り響き、息をもつかせず巨大なフーガへと突入する。
【位置づけ】
Fuga
【仕組み】ヘンデルの主題の冒頭音型を用いた自由かつ壮大なフーガ。拡大、反行、縮小、2重ストレッタなど対位法の極致を尽くし、圧巻のコダ(全合奏的連打)で勝利の大団円を迎える。
【位置づけ】