Aria
a 3.【仕組み】装飾音をまとった優美な高音旋律と、全30変奏の「遺伝子」となる32音の低音進行(グラウンド・バス)からなる2部形式のサラバンド。
【位置づけ】
Variatio 1 a 1 Clav.
a 2.【仕組み】両手の手指が激しく交差・跳躍しながら、2つのパートが軽快なリズムで推進力を生み出す2声の舞曲風対位法。
【位置づけ】
Variatio 2 a 1 Clav.
a 3.【仕組み】左手が刻む一定のテンポの上で、高音と中音の2本がぶつからないよう交互に掛け合う対等なアンサンブル構造。
【位置づけ】
Variatio 3: Canon all'Unisuono a 1 Clav.
a 3.【仕組み】12/8拍子の穏やかな流れの上で、ソプラノとアルトが「全く同じ音の高さ(同度)」で1小節遅れて追走するカノンの第1作。
【位置づけ】
Var. 4 a 1 Clav.
a 4.【仕組み】4つの声部がぎっしり詰まった重厚な書法。短いモチーフが各声部へ次々に受け渡される緻密なポリフォニー。
【位置づけ】
Var. 5 a 1 ovvero 2 Clav.
a 2.【仕組み】片手が目まぐるしい16分音符の走句を駆け巡り、もう一方の手がその上や下を飛び越えてリズムを刻むアクロバティックな鍵盤書法。
【位置づけ】
Var. 6: Canon alla Seconda a 1 Clav.
a 3.【仕組み】追いかける声部が、先行する声部より「2度(音1つ分)高い音」で1小節遅れて模倣し続ける厳格なカノン。
【位置づけ】
Var. 7 a 1 ovvero 2 Clav.
a 3.【仕組み】付点リズムを基調とした優雅に揺れる6/8拍子のフランス風舞曲。バッハ自身が自筆譜に「ジーグのテンポで」と書き添えた名品。
【位置づけ】
Var. 8 a 2 Clav.
a 2.【仕組み】2段の鍵盤をフルに使い、左右の手が同じ音域で目まぐるしく交差し合いながら流麗なアルペジオを紡ぎ出す。
【位置づけ】
Var. 9: Canon alla Terza a 1 Clav.
a 3.【仕組み】先行する旋律に対し、もう一方の声部が「3度離れた音」で追いかける3声のカノン。甘美な調和が前半の土台を固める。
【位置づけ】
Var. 10: Fughetta a 1 Clav.
a 4.【仕組み】力強い主題が低音から高音へと順に受け継がれていく4声部のフゲッタ形式。曲集全体の構築美を一段引き上げる。
【位置づけ】
Var. 11 a 2 Clav.
a 2.【仕組み】12/16拍子の細やかな音符が淀みなく流れ続け、両手が対等に受け渡しながら疾走する爽快な常動曲スタイル。
【位置づけ】
Var. 12: Canon alla Quarta a 1 Clav.
a 3.【仕組み】「4度離れた音」で追いかけるだけでなく、先行するメロディが上がると追いかける側は下がるという「鏡の対称運動(反行)」を用いたカノン。
【位置づけ】
Var. 13 a 2 Clav.
a 3.【仕組み】静かに刻まれる伴奏の上で、高音部がオペラのアリアのように息の長い装飾メロディを歌い上げる叙情的な協奏曲スタイル。
【位置づけ】
Var. 14 a 2 Clav.
a 2.【仕組み】激しい手の交差と目を見張るようなトリル、広い音域の跳躍が炸裂する華やかな鍵盤ヴィルトゥオーソ曲。
【位置づけ】
Var. 15: Canon alla Quinta a 1 Clav.
a 3.【仕組み】全曲で初めて現れるト短調。5度離れた音で鏡のように反転しながら追いかける、ため息のような半音階的反行カノン。
【位置づけ】
Var. 16: Ouverture a 1 Clav.
a 4.【仕組み】威厳に満ちた付点リズムの前半部と快活なフーガ的後半部からなる王道のフランス風序曲。新天地への再出発を高らかに告げる。
【位置づけ】
Var. 17 a 2 Clav.
a 2.【仕組み】左右の手が2つの鍵盤を駆け巡り、急速なアルペジオや3度の並進を軽やかに織りなすトッカータ風の技巧的書法。
【位置づけ】
Var. 18: Canon alla Sesta a 1 Clav.
a 3.【仕組み】歩みを止めないベースラインの上で、2つの声部が「6度」という広く安定した協和音程を保ちながら追いかけるカノン。
【位置づけ】
Var. 19 a 1 Clav.
a 3.【仕組み】3/8拍子の軽やかなリズムに乗り、3つの声部が愛らしく絡み合う素朴な田園舞曲(パストラーレ)スタイル。
【位置づけ】
Var. 20 a 2 Clav.
a 2.【仕組み】息つく間もない3連符の波の中で、左右の手が激しく上下に交差を繰り返す高度な超絶技巧曲。
【位置づけ】
Var. 21: Canon alla Settima
a 3.【仕組み】全曲中2つ目のト短調。不協和音を生みやすい「7度」というシビアな音程で互いを追いかけ、鋭い痛みを帯びた陰影を描く。
【位置づけ】
Var. 22 a 1 Clav. alla breve
a 4.【仕組み】ルネサンス合唱を思わせる、シンプルで無装飾な音符で組み上げられた4声部の厳格なポリフォニー。
【位置づけ】
Var. 23 a 2 Clav.
a 2.【仕組み】両手が短い音型で追いかけ合いながら、鍵盤の上から下へと滝のように音符が転がり落ちていくユーモラスな技巧曲。
【位置づけ】
Var. 24: Canon all'Ottava a 1 Clav.
a 3.【仕組み】先行する旋律を「1オクターヴ離れた音」で寸分違わず追走する、完璧な調和と美しさを持つカノン。
【位置づけ】
Var. 25 a 2 Clav.
a 3.【仕組み】全曲中最後のト短調。痛切な半音階が幾重にも重なり、極限まで引き伸ばされたテンポの中で変奏曲全体の魂が凝縮する至高のアダージョ。
【位置づけ】
Var. 26 a 2 Clav.
a 2.【仕組み】片手が18/16拍子の高速分散和音を紡ぎ、もう一方の手が堂々たるサラバンドを打ち鳴らす、深い闇からの劇的な救済と長調の爆発。
【位置づけ】
Var. 27: Canon alla Nona a 2 Clav.
a 2.【仕組み】通奏低音の伴奏を持たず、たった2本の旋律ライン(9度差)だけで完全に自立して進行する唯一の純粋カノン。度数カノンの最終作。
【位置づけ】
Var. 28 a 2 Clav.
a 2.【仕組み】両手で絶え間なく鳴り続けるトリルの雲海の中から、鐘の音のような美しいメロディが浮かび上がる幻想的な技巧曲。
【位置づけ】
Var. 29 a 1 ovvero 2 Clav.
a 3.【仕組み】力強い和音の連打と重厚なアルペジオが交互に打ち鳴らされる、全変奏で最もダイナミックな音圧を誇るプレ・クライマックス。
【位置づけ】
Var. 30: Quodlibet a 1 Clav.
a 4.【仕組み】「キャベツとカブが私を追い出した」などの大衆民謡を重厚な対位法で同時に歌い合わせる祝祭の合唱。厳格なルールを超越した笑顔の結末。
【位置づけ】
Aria da Capo e Fine
a 3.【仕組み】冒頭と寸分違わず同一の楽譜でありながら、壮大な宇宙を旅した聴き手には全く異なる深い感慨を残す奇跡の回帰。
【位置づけ】