Thema: Chorale St. Antoni
【仕組み】古風な野外吹奏楽のコラールを、オーボエとファゴットの素朴な重なりと低音弦の静かなピチカートで提示。通常の4小節ではなく「5小節単位」で息づく独特の歩みが、これから始まる交響的変容の揺るぎない礎となる。
【位置づけ】
Var. 1: Poco piu animato
【仕組み】木管の静寂から一転し、弦楽器群がなめらかな波のように対位法で絡み合う。その背後で木管が5小節周期の鐘のような打音を打ち鳴らし、音楽が最初の生命力を宿して大きく動き出す。
【位置づけ】
Var. 2: Piu vivace
【仕組み】変ロ短調の暗い影が突如差し込み、跳ねるような鋭いリズム(スタッカート)で木管と弦がスリリングに追いかけ合う。古典的な調和を切り裂くような劇的な緊張感が走るスケルツォ。
【位置づけ】
Var. 3: Con moto
【仕組み】第2変奏の激しい緊張を解きほぐすように、流れるような旋律がオーボエ、ファゴット、ホルン、ヴァイオリンへと滑らかに受け渡される。ブラームス特有の温かなカンタービレで第1幕を優美に締めくくる。
【位置づけ】
Var. 4: Andante con moto
【仕組み】再び同主短調(変ロ短調)の影をまとい、3/8拍子に転じる。オーボエとホルンが厳格な模倣(二重カノン)を形成しながら、息の長い哀愁を帯びた旋律を静かに深く重ねていく。
【位置づけ】
Var. 5: Vivace
【仕組み】短調の暗闇から一転、ピッコロとフルートが軽快に跳ね回り、弦楽器の細やかな刻みとともに光が明滅する。管弦楽の機動性とヴィルトゥオーソ的な技巧が炸裂する快活なスケルツォ。
【位置づけ】
Var. 6: Vivace
【仕組み】4本のホルンとファゴットが勇壮な狩りの動機を堂々と吹き鳴らし、弦楽器の重厚な伴奏が力強く推進する。森の息吹と祝祭的なエネルギーが満ちあふれる行進曲風の変容。
【位置づけ】
Var. 7: Grazioso
【仕組み】ゆったりとした6/8拍子のシチリアーナのリズムに乗り、フルートとヴィオラが極上の甘美さで語り合う。全曲中で最も愛される至福の牧歌(パストラーレ)であり、次に来る嵐の前の静寂。
【位置づけ】
Var. 8: Presto non troppo
【仕組み】弱音器を付けた全弦楽器が、変ロ短調の密やかな半音階を蠢くように駆け抜ける。音量を極限まで抑えてエネルギーを充填し、終曲の巨大なパッサカリアへの爆発を予感させる緊迫の導入。
【位置づけ】
Finale: Andante
【仕組み】冒頭の5小節主題から抽出された低音(パッサカリア)が17回繰り返され、対位法と管弦楽の厚みが巨大に高まっていく。クライマックスではトライアングルを伴う大合奏で元の主題が壮大に凱旋する。
【位置づけ】