▶ Johann Sebastian Bach

Goldberg Variations, BWV 988

Johann Sebastian Bach (1741) → Glenn Gould (1955)

1741年 — 後期バロック対位法と鍵盤練習曲の極致

1741年、ニュルンベルクの出版社から『クラヴィーア練習曲集第4巻』として刊行。不眠症に悩むカイザーリンク伯爵のために仕立人のヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルクが演奏した逸話で知られる、2段鍵盤チェンバロのための長大な変奏曲体系。

再生中
Bach: The Goldberg Variations, BWV 988

当時22歳のカナダ人ピアニスト、グレン・グールドがコロムビア・レコードのニューヨーク30丁目スタジオで録音した衝撃的デビュー作。それまで学究的で難解と見なされていた作品を、驚異的な急速テンポと研ぎ澄まされたアーティキュレーションで世界的人気作へと塗り替えた。

18世紀バロックの室内鍵盤曲を、極限まで乾いた打鍵とスタジオ編集思想によって20世紀のモダン・アート/音響構築物へと不可逆更新した決定打的録音。

原曲から再定義版へ

聴きどころ

18世紀バロックの室内鍵盤曲を、極限まで乾いた打鍵とスタジオ編集思想によって20世紀のモダン・アート/音響構築物へと不可逆更新した決定打的録音。

  • 2段鍵盤チェンバロから近代ピアノへの打鍵機構転換と対位法の先鋭化

    撥弦楽器(チェンバロ)の繊細な装飾音の世界から、ペダルを極限まで排したパーカッシブなノン・レガート打鍵と強烈なインテンポへ置換し、声部ごとのポリフォニーを剥き出しの幾何学的構造として可視化。

  • 「演奏会場の再現」から「編集によるスタジオ構築物」へのパラダイムシフト

    コンサートホールの空気感や一回性を捉える従来の録音規範を解体し、複数テイクの精緻なスプライシング(テープ編集)と自身のハミング(唸り声)を刻み込むことで、レコードという複製メディアならではの自立した音響空間を創出。

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